たいして何も起きないストーリーが好き

穏やかなお話が好き

静かなストーリーが好きなんです。映画でも小説でもアニメでも、どれでもいいのですが、例えば大きな事件が起きるわけでもなく、大恋愛をするわけでもない。ましてや地球が存亡の危機に陥るわけでもない、そんな日常のストーリーを描いた作品が大好きなんです。日常の小さな変化や、毎日コツコツと積み重ねた努力が実を結ぶような、そんなストーリーを観たあとの心が温かくなるような感覚が心地よいから好きです。

例えば、三浦しをんさんの小説「舟を編む」や、今泉力哉監督(実は詳しく知らない)の映画「街の上で」、宮下奈都さんの小説「太陽のパスタ 豆のスープ」などが好きです。今回語りたいのはこちらの作品たちではないので詳細は割愛しますが、どのお話も穏やかなテンポで進み、日常の積み重ねや小さな発見でストーリーが展開する優しいお話ですよ。このうちどれかが好きという方がいらっしゃったら気が合うかもしれません。

大サビにどーんっていう曲が好き

そんな静かなストーリーが好きという傾向は、実は音楽にも当てはまります。その最たるものがこちら。

はい、おっさんが出ましたよ。Do As Infinityの「Yesterday & Today」という曲です。多分私が中学生頃にヒットしたバンドですね。代表曲といえば「柊」だったり、「陽のあたる坂道」、もしくは「Oasis」あたりだと思うのですが、こちらの曲を知っている方も多いはず。非常にスローテンポで穏やかな曲ですが、特徴といえばなんと言ってもサビ。一曲中でサビは一度だけ。しかもそのサビまで約3分40秒もかかるのです。きっと世の中のパーリーピーポーたちはこんな感じの曲は聴かないんでしょうけど(偏見)、でもこのサビの前までちょっとずつ、徐々に盛り上がってきて最後にどーんとくる曲が大好きなんですよ。最後の盛り上がりに至るまで、すごく丁寧に歌い上げている感じもあるし、その前フリがあるからこそ大サビが盛り上がる。このコントラストがたまりませんね。まだ聴いたことがないという人はぜひ聴いてみてください。おっちゃんの戯言ですが、若い人もぜひ聴いてみてほしいですね。

そして今回も来ましたこのお方。

お馴染み上白石萌音さんの「ストーリーボード」という曲です。今回語りたかったのはこの曲です。前々回くらいのブログで上白石萌音さんのライブに行ってきたとご報告いたしましたが、そのライブで歌われていた一曲です。本当は森山直太朗さん作詞作曲の「懐かしい未来」という壮大な曲が聴きたかったのですが、歌われることはありませんでした。しかし、ライブでこの曲の良さに気づき、何度か聴いているうちに懐かしい未来より激ハマりしたわけです。

なんといっても好きなのはその曲調。何となく夜の気だるいような湿ったような空気を思い起こさせる、優しいけれど、どこか切ない雰囲気を纏った曲調にハマりました。個人的には桑田佳祐さんの「祭りのあと」とか、Indigo la endの「夏夜のマジック」のような印象を感じています。

そして歌詞もまた非常に良い。男性目線のラブソングですが、二人の出会いをストーリーに例えて、自分は主人公というわけではないけど、君を幸せにしたいという感じの内容です。

僕が主人公だったら 小さな物語でいいから

君と僕とのハッピーエンドにしよう

ストーリーは僕が書き換えるよ

君にまつわる全てを幸せに

この二番の歌詞の表現のといったらもうね。優しすぎますよね。
「君にまつわる全てを幸せに」とか、どんなもん食ったら思い浮かぶのか。作詞した方は優しい方なんだろうなって感じます。

遠回りしたけど 取り直しなんてしないよ

ここに至るまで色々と辛いことなんかがあったのかもしれないけれど、それも含めてその人だと思うようなこの表現。そしてこの歌詞があってからの

生まれてここまで選んだ日が

重なり合って僕ら出会えた

今まであった全てのことが無駄ではなく、その全てが重なり合って出会えたという優しい表現が温かい歌詞です。この曲自体は恋愛についてのストーリーですが、どんな事柄においても「生まれてここまで選んだ日が重なり合って」という考え方ができる人間になりたいですね。

そんな優しい曲、優しい歌詞を歌い上げるのが上白石萌音さん。語りかけるような歌声はがこの曲のメッセージを優しく届けてくれます。曲、詞、歌。どれが違っても成り立たない作品だなと思いました。

ちなみに公式のアップロードではありませんが、MVはこちら。

窓枠のような、額縁のような枠を持っている萌音ちゃんが、日常の風景をその枠で切り取っていきます。その枠で切り取った風景を見ている人のストーリーもあれば、切り取られた夜景の光は誰かが生活するストーリーの一部かもしれない、っていう表現です。多分、きっと知らんけど、多分そう。勝手に解釈してますが、このMVの表現も本当にいいですね。

そして、作詞作曲を手がけた内澤崇仁さんという方はAndropというバンドの方で、八戸市出身だとか。新井田川沿いでも散歩してたら私もわんちゃん同じようにいい文章を書けるようになるかも。

八戸の空気を吸うだけで高く飛べると思ったのかなあ。

というわけで、上白石萌音さんのストーリーボードは穏やかで優しい曲ですが、ラストのサビの盛り上がりがたまりません。ぜひ聴いてみてね。

まだまだあるぞ、穏やかだけどいい曲

というわけで、今日もここまで好き放題に語ってきたわけですが、お付き合いいただきありがとうございました。最後にどーんて曲というわけではないですが、この曲も穏やかだけどメッセージ性が良くて好き。

世間ではYOASOBIが人気ですが、個人的にはこっちの方が好き。これも公式のアップではありませんが、MVがもう大好きで大好きで。幾田りらさんはこの曲を書いたときは10代とのこと。物事の捉え方がすごいですね。

今日ご紹介した作品は、どれも心が温かく、豊かになる作品ばかりです。心が荒んでいかんわって方はぜひ参考にしてみてください。

それでは。

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